伊豆の権現桜

地域とともに歴史を刻む桜

国道287号線に面したスーパーの裏側、窪地になったところに桜の古木が立っている。根元には伊豆から勧進したと言われる伊豆権現の社があり、赤い鳥居が三つ並んでいる。南にスーパー、北側には駐車場、それぞれ1mほど高く、この桜の周辺だけが窪地であり、桜の元へは石段を降りて近づくことができる。

一段高い場所にある桜はよく見かけるが、一段低い場所の桜は珍しい。かつてこの辺りは農地だったのだろうが、住宅やスーパーを建てる際に盛り土をし、桜の周辺だけが取り残されたのかもしれない。
案内板によると樹齢は700年というが、天然記念物の指定は受けていないようだ。700年が本当かどうかは疑わしいが、歴史の古い桜であることには違いないと思う。幹は太く発達し、主幹は失われているが枝が力強く伸び、立派な樹幹を形成している。

窪地にあり、近くを電線が巡り、環境としてはひどい。しかし社には御神酒代わりに発泡酒が備えられており、まだ信仰は生きているようだ。後日この桜の記事を書く際にNHKアーカイブスで紹介されている映像にたどり着いた。2014年に放送された新日本風土記の映像のようだが、地域の人たちがとても大切にしていることが伝わった。


Note 朝日町役場の向かい、食料品スーパーの裏側の窪地に立つエドヒガンの古木。古くは種蒔桜と呼ばれていた。根元には伊豆から勧進した伊豆権現があり、桜の名の由来となっている。
撮影 2024年4月13日
名称 伊豆の権現桜
別称 種蒔桜
樹種 エドヒガン
所在地 山形県西村山郡朝日町宮宿1114-6
所在地は食料品店のもの。その裏側に桜がある。
指定 なし
樹齢 700年※
樹高 不詳
根回 不詳
幹周 不詳
枝張 不詳
出典 ※現地案内板