大照寺跡のシダレザクラ

大照寺跡のシダレザクラ

絶壁に咲く

山添村の集落の間を縫うように、離合の困難な山道を行くと、点在する桜の中にひときわ大きなシダレザクラが見える。訪れたのは二度目だが、以前と比べて上部の花付きが良くない。たまたまの外れ年ならいいのだが、いずれまた再訪したいと思う。高台から崖に迫り出すようにして枝を垂らし、優雅さと危うさが共存する桜だと思う。以前訪れた時は地元の古老らしき人物が「花が付かなくなった枝は折った方がいい」と小枝をポキポキ追っていたのが強く印象に残っている。「桜折る馬鹿、梅折らぬ馬鹿」というが、桜も枯れた枝は追った方が良い、と知ったのはこの時よりもずっと後のことだった。

大照寺跡のシダレザクラ

Notes

撮影:2022年4月9日
別称:なし
樹種:シダレザクラ
所在地:奈良県山辺郡山添村的野975
指定:村指定天然記念物
樹齢:300年
樹高:10m
根回り:不明
幹周り:2.85m
枝張り:不明
概要:
山添村的野地区の高台に立つシダレザクラの古木。かつてこの地には大照寺という寺院があったというが、どのような寺院だったのかは伝わっていないという。桜の前には小さな空き地があり、ここにかつての大照寺が立っていたのだろう。