懸田の桜

死線を越えて

2018年の4月は記録的な速さで桜前線が列島を通過した。福島から山形、山形から岩手へと予定を変更し、桜前線を追いかけたが、岩手県南はやや見頃過ぎ。この桜も散りかけていた。近くではおばあさんが畑仕事をしており、種まき桜の二つ名のとおりに花が開けばこうして種をまくのだなと思った。

この辺りは近くを流れる北股川から北大堰という堰を通して水を引いているそうだ。50年ほど前、その北大堰の改良工事の際にこの桜の下に堰を通すため、根と枝を切り落とした。そのまま枯死すると思われた。その後朽ちた幹から伸びた若い枝や不定根が新しい樹冠を形成し、今もこうして花をつけている。こういうのを見ると桜は不滅の存在なんだなあと改めて感心させられる。

インターネットで調べていると衣川三本桜の一つという記述を見つけたが、残りの二本、百ヶ袋の桜、川西の桜はどこにあるのか見つからなかった。今ではもう枯死してしまったのかもしれない。



Note懸田の田園地帯に立つエドヒガンの古木。60年代、利水のため北股川から引かれる北大堰を拡張し、樹下に通した。そのため枝と根が切られ、枯死も危ぶまれたが、新しい枝が伸びて今でも見事に花を咲かせる。
撮影2018年4月21日
名称懸田の桜
別称種まき桜
樹種エドヒガン
所在地岩手県奥州市衣川区懸田
指定なし
樹齢不祥
樹高不祥
根回不祥
幹周不祥
枝張不祥
出典国土交通省東北環境整備局サイト※1
※1 サイト内の胆沢ダム通信に桜の所有者のコメントがある