上御料の一本桜

北国の春の原風景

雪山を背景に芽吹く新緑、そして桜。北国の春といえば、心に思い描くのはこんな風景ではないでしょうか。以前から桜巡りに訪れたいと思っていた北海道。最初に向かったのは、そんな北国の春を具現化したような風景でした。

上御料の一本桜は広大な牧草地に一本だけ立つエゾヤマザクラ。雪化粧を残す西富良野岳を背景に、新緑をまとうカラマツとのコントラストが美しく、誰もが写真に収めなくてはいられないような、そんなフォトジェニックな桜です。
来歴は不明ですが、損傷の少ない立派な樹形であることからも、まだ若木の部類と思われます。大きさから推定するに樹齢100年程度といったところではないでしょうか。
御料とは皇室の所有地のこと。富良野は皇室の管理する土地が多かったと聞きます。ここ上御料もそんな皇室ゆかりの地の一つだったのかもしれませんね。

上御料の一本桜

桜はもちろんですが、松林の白い木肌も美しいです。この日の富良野の気温は25度にも達し、日差しも夏を思わせる強さ。桜の時期には似つかわしくない強い日差しが花と新緑のコントラストを一層高めていました。5月の桜は本州でも撮影しますが、日の当り方が違うものだと改めて感じたものです。

-Notes-

撮影:2021年5月7日
別称:なし
樹種:エゾヤマザクラ
所在地:北海道富良野市上御料
指定:なし
樹齢:不明
樹高:不明
根回り:不明
幹周り:不明
枝張り:不明
概要:
富良野西岳の東麓に広がる広大の牧草地の中に立つエゾヤマザクラ。牧草地は車道に面し、駐車場はないが周辺に駐車スペースがある。