伊佐沢の久保ザクラ

坂上田村麻呂公お手植えの桜

置賜では多くの衰弱した桜を見たが、中でもこの久保ザクラは特に衰弱していた。物乞いが桜の下で着けた火が燃え広がり、幹を焼いてしまったとのことで、確かに黒々とした姿をしている。焼け跡から新しい根が生えにくくなり、治療の効果がなかなか現れないのだという。一部の枝から僅かに花が出ているのみで、樹幹のほとんどは枯れてしまっているのではないかと思う。天気が良く、花は満開だったが、桜を見るというよりは巨大なカブトムシの標本でも見ているような気分になった。

根元には治療の痕が見える。久保桜の周辺には桜の状態と治療についての資料が展示されていて、いかに桜の再生に力を入れているかがわかる。桜に関わる人たちの思いが報われてほしいと思う。


Note坂上田村麻呂公が奥州遠征の際に植えたとされる樹齢1200年のエドヒガン。田村麻呂公が植えたと伝えられる桜はこの地に3本残っており、そのうちの1本。
撮影2024年4月13日
名称伊佐沢の久保ザクラ
別称四反桜
樹種エドヒガン
所在地山形県長井市上伊佐沢2027
指定国指定天然記念物
樹齢1200年※1
300年以上※2
樹高13.0m※1
16.0m※2
根回不祥
幹周9.0m※2
枝張不祥
出典 ※1山形県公式観光サイト「やまがたへの旅」
※2環境省「巨樹・巨木林データベース」
巨樹・巨木林データベースでは一部の例外を除き、一定以上と推定できる古木の樹齢は「300年以上」に統一しているものと思われる。