権現堂しだれ桜

思いを受け継ぐ桜

この辺りは上山市から蔵王方面へと向かう玄関口にあたる。かつては蔵王権現を信奉する修験者たちが休息を取った場所だったという。彼ら修験者たちと地域の人々が共に釈迦如来を祀り、同時に植えた桜がこの権現堂しだれ桜だと伝えられている。桜の背後には桜より目立つ朱塗りの屋根の公民館があり、今もこの中に釈迦如来が祀られているそうだ。

樹齢500年というが樹勢は旺盛で形も良い。元は修験者と地域の人々の安住・発展を願い、植えられた桜だが、いつ頃からか未来を担う若者の振袖姿に見立てられ、ふりそで桜と呼ばれるようになった。美しい姿であり、美しい名前だと思う。桜に込められた様々な思いが感じられる。

公民館の屋根はまだ塗って間もないようで、抜けるような青空を反射して艶やかだった。この日回った山形のいくつかの神社では足場が組まれ、社殿や祠をきれいにしていたが、たまたま古い建物を一斉に修繕する年廻りだったのだろうか。


Note蔵王山麓に立つシダレザクラの古木。かつては修験者や地域の人々の安住と繁栄を願って植えられ、後に未来を担う若者の振袖姿に例えられるようになった。
撮影2024年4月13日
名称権現堂しだれ桜
別称ふりそで桜
樹種シダレザクラ
所在地山形県上山市権現堂74
指定県指定天然記念物
樹齢500年 ※1
樹高12.0m ※1
根回6.15m ※1
幹周3.65m ※2
枝張16.0m ※1
出典 ※1 現地案内板
※2 山形県観光協会公式サイト