納戸料の百年桜

茶畑の桜

桜めぐりを始めてから長い間、九州の桜は後回しだった。筆者の住む大阪から遠いということもあったが、それ以上に食指の動く桜が少なかったからである。しかしながら、時間が経てば好みも変わり、いつしか九州の桜が気になり出した。特に佐賀県は調べれば調べるほどフォトジェニックな桜が多い。一度本格的に回ってみようと思い、最初に訪れたのがこの百年桜だった。

前日の天気予報は晴れ。しかし、早朝には濃霧注意報。早朝4時ごろから現地で張り込んでいたが、日が登った後も霧が晴れる気配はなかった。これはこれで良いのだが、やはり青空の下の桜も撮影したい。車で仮眠をとりながら天気の回復を待った。

なんとか青空が広がったのは10時頃、早朝誰もいなかった茶畑の周りは花見客で賑わい始めていた。雲は多めだが桜の薄紅色が映える。なんと牧歌的な景色だろう。人の姿が途切れるまで根気よくチャンスを伺いながら撮影した。

前日から天候は荒れ気味で風が早い。故に特徴的な巻積雲が広がっていた。

早朝乗り込んだので3台ほどの駐車スペースの一つを確保できたが、花見客の多くは離れた物産展の臨時駐車場から歩いて現地に向かう。これはその駐車場付近から望遠で撮影したショット。こうしてみるとそれなりに山を登ることがわかる。この後天候は崩れ出し、九州初戦の収穫はこの百年桜のみとなった。


Note嬉野市の茶畑に立つ一本桜。紅色の濃い美しい桜で畑を見下ろすように立っている。ヤマザクラが八重桜に変種したものと考えられている。2020年の台風により大きく樹幹が損なわれた。
撮影2016年4月2日
名称納戸料の百年桜
別称吉田の百年桜
樹種ヤマザクラ
所在地佐賀県嬉野市嬉野町吉田丁5650
指定市指定天然記念物※1
樹齢100年※2
樹高13.0m※2
根回不祥
幹周4.55m※2
枝張東西:19.5m/南北:20.5m※2
出典※1嬉野市公式サイト
※2現地案内板(台風により損傷し、大きさ・形は変わっている)