馬場の山桜

菜の花に埋もれて

個人的に九州の一本桜筆頭は一心行の大桜だと思う。しかし、九州一フォトジェニックな一本桜といえばここ馬場の山桜に軍配が上がる。一面には菜の花が咲き綻び、芽吹いた新緑が点景となって輝き、それらを睥睨するように一段高い土手には形よい山桜が鎮座している。周辺の木々や草花の何もかもが桜を際立たせる舞台装置のようだ。桜がまだ若く支柱を必要としないのも良い。

日が昇る方向に背の高い杉があり、長い時間桜に影を落とす。故に、午後の撮影を好む人も多い。しかし筆者は撮影するなら早朝を推したい。人手が少なく空気は澄んでおり、鳥の囀りが辺りに響き渡っているのも良い。

北側から。青、ピンク、黄色。3色だけの抽象画のようでもある。

昔の写真を見ると菜の花は桜の下の土手一面をも覆っていた。筆者が訪れたときは残念ながら土手の花はまばらだったが、撮り方でなんとでもカバーできる。多くの花見客もまた菜の花で隠れるので、朝早いうちなら撮影のチャンスは多いだろう。ちなみに駐車場はないが皆近くの農道に路上駐車している。交通の妨げになるほどの混雑もないので、特に取り締まりはない。また、開花情報は武雄市公民館のブログが非常に詳しい。

Note佐賀県下最大のヤマザクラ。みかん畑の高台に立ち、農道の開通によって知られるようになったという。花期には菜の花が周辺を埋め尽くし、フォトジェニックな景観を成す。
撮影2021年3月27日
名称馬場の山桜
別称なし
樹種ヤマザクラ
所在地佐賀県武雄市武内町真手野21236番
指定市指定天然記念物
樹齢約120年※1
樹高12m
根回3.1m
幹周3.8m
枝張東西18m/南北13m
出典佐賀県観光連盟公式サイト