浄専寺のしだれ桜

五ヶ瀬町しだれ桜群の源流

宮崎県には母方の実家があったので、何度も来たことがあるが宮崎市周辺をうろうろするばかりで、県北にはほとんど足を踏み入れたことはなかった。穏やかな南国ムード漂う宮崎市とは対照的に、この辺りは峻険な天孫降臨の地である。当然気候が異なり、花期も遅い。全国有数の早咲き一本桜である大坪の一本桜が満開を迎えた約二週間後、ここ五ヶ瀬町には遅い春が来る。この辺りはしだれ桜が多く咲き、その源流が浄専寺のしだれ桜である。

当寺の9代住職、戒肇(かいちょう)が京都円山公園から苗を持ち帰り、植えたものとされ、樹齢は250年から300年と伝わっている。有名な円山公園のしだれ桜は初代は1927年に樹齢220年で枯死しているため、子孫の可能性が低い。兄貴分に当たる桜ならもっとアピールされているだろうから、「血縁」の桜というわけではなさそうだ。あるいは樹齢が伝承よりも若いのかもしれない。


Note 浄専寺は1615年に開かれた古刹。元は天台宗の寺院だったが、現在は浄土真宗本願寺派に属している。しだれ桜は当寺の9代住職、戒肇が京都祇園・円山公園のしだれ桜の苗木を持ち帰ったものと伝えれられている。五ヶ瀬町には浄専寺しだれ桜の子孫とされるしだれ桜が多く残り、九州南部では希少なしだれ桜の里となっている。
撮影 2025年4月5日
名称 浄専寺のしだれ桜
別称 なし
樹種 シダレザクラ
所在地 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町三ヶ所8701
指定 県指定天然記念物
樹齢 300年
樹高 15.0m
根回 不詳
幹周 3.0m
枝張 不詳
出典 ごかせ観光協会公式サイト