桑畑の種まき桜

大明神の化身

インターネットなどで桜を検索していると、時々一目惚れするような桜に出会うことがある。この桜もそのうちの一つ。写真そのものはごく一般的なものであったが、民家の門前でぐいと前に迫り出したような力強い樹形が印象に残り、ぜひ一度実物を見たいと思った。

山形を巡っていたこの年、あらかた回りたかったところを回り終えたので少し遠いが栗原市まで移動した。目的はもちろんこの桜だった。

道中いくつかの桜を回ったが、いずれも花は終盤といったところ。天気もすぐれずダメかと思ったが、日が傾くにつれて次第に青空が広がり始めた。目当ての桜はというと、これも見頃を保っていた。夕日に照らされて花がいっそう輝いて見える。思ったとおり、良い桜だ。この日の遠征の締めくくりの桜となったが、最後にとても満足のいく一本となった。


Note民家の門前に立つエドヒガンの古木。地権者である佐藤家の先祖、佐藤弥四郎がが植樹したと伝えられる。弥四郎が主君よりこの地を与えられた際、速日大明神を祀る社殿を建てたところ、夢枕に大明神が立ち、桜を植えるよう神託を受けたという。以来桜は大明神の権化として崇められ、また、地元の人々からは種まき桜と呼ばれ親しまれてきた。
撮影2024年4月12日
名称桑畑の種まき桜
別称なし
樹種エドヒガン
所在地宮城県栗原市栗駒沼倉桑畑前
指定なし
樹齢400年
樹高不詳
根回不詳
幹周不詳
枝張不詳
出典現地案内板