上発知のシダレザクラ
小さな桜守とともに
桜は高台に聳え、優美に枝を広げており、その傍らには小さなお地蔵さんがまるで桜守を務めるかのように寄り添っている。なんとも牧歌的でフォトジェニック。晴れていればそれだけで絵になる。
しかしながら、マナーの悪い写真家たちが辺りの田畑を所構わず踏みしめてしまうため、地元の農家の方がお怒りなよう。私が撮影していた時も田んぼに土足で入り込む人がおり(主に年寄り)、地主らしき人が怒声を浴びせていた。少し考えれば田んぼに土足で入っていいものか分かりそうなものだが。。。
とても形のいい桜だが、ところどころにテングス病のような兆候が見えた。近年ネットに上がっている写真を見ると、その症状はますます進行しているようだ。
桜自体も弱っているように見えるが病のせいだけではないだろう。開花期には夜通し写真家が訪れ、無用なライトを浴びせ、星と絡めて「絶景」を撮る。花期だけとはいえ休む間もなく光にさらされては桜が痛むのも止むを得ないだろう。桜巡りをする一人として襟を正したいと思う。
-Notes-
撮影:2011年4月30日
別称:なし
樹種:シダレザクラ
所在地:群馬県沼田市上発知町646
指定:なし
樹齢:不明
樹高:17m
根回り:不明
幹周り:3.74m
枝張り:不明
概要:
田園地帯の小高い塚の上で優美に枝を広げるシダレザクラ。樹形の美しさと背後に武尊山を臨むロケーションの良さから写真家に人気の一本。