石割桜

岩手の誉れ

石割の名を冠する桜は他にもあるが、石割桜と聞いて思い起こすのはやはりこの桜だろう。市街地のど真ん中にあるのでアクセスは至極便利。このときは近くに宿をとり、歩いて撮影に来た。周りに高層建築が多いため、日が当たり始めるのは7時ごろ。光が桜全体に回るのは8時前と言ったところか。開花の折には地元の新聞にも報じられ、早朝から結構な数の花見客が訪れる。地元に愛されている桜なのだなと思う。

鳥に運ばれたのか風に乗ってきたのか。この桜の種がたまたま根付いたのは花崗岩の割れ目の中だった。それから300年以上もの時を数え、大木へと育ち、毎年見事な花を見せてくれる。どんな環境に根差すかではなく、いかに花を咲かせるか。この桜を見ると大切なことを教えられるような気がする。個人的に、一度は満開の姿を見て欲しい桜である。

桜が一番力強く見えるのは盛岡裁判所の建物を背後にしたこの角度だと思う。西日が幹を照らす午後が特にオススメかな。人手は早朝の方が少ない。

Note盛岡地方裁判所の敷地内に立つエドヒガン。この辺りは元は盛岡藩の家老の屋敷であったと伝えられており、庭石として置かれていた花崗岩の割れ目に入り込んだ桜の種が発芽し、成長したものと伝えられている。割れ目は年々大きくなってきており、その生命力には驚かされるばかり。
撮影2011年5月4日、2018年4月21日
名称石割桜
別称なし
樹種エドヒガン
所在地岩手県盛岡市内丸9−1
指定国指定天然記念物
樹齢350年
樹高11.0m
根回不詳
幹周4.6m
枝張東西:16.0m/南北:17.1m
出典現地案内板