血脈桜

松前三大名木

道内の主だった桜は明治以降の開拓時に植えたらしいものが多く、ほとんどは樹齢が100年そこそこである。その中において、この血脈桜は道内最古の桜と言えるだろう。ここ松前の地は江戸時代に藩政が敷かれ、歴史が古い。北海道の最南端に位置し、海の向こうはもう下北半島である。それだけに本州の影響が色濃いのだろう。

血脈桜の名称は、桜の精が乙女の姿となって現れ、寺の僧に血脈を授けてほしいとせがんだという伝説に因んでいる。血脈とは血のつながりを意味し、転じて仏教では師から弟子へ授ける法統を指す。花は開花から日が経つにつれ、中央から紅色に濃く染まっていく。その姿がまさしく血脈が通ったように見える。

満開から二、三日頃が見頃のようだが、この年は桜の足が早く訪れた日は見頃に少し遅かった。歯が目立ち、花のボリュームは少なくなっている。見頃に合わせて再訪したいと思う。


Note
撮影2024年4月28日
名称血脈桜
別称なし
樹種サトザクラ
所在地北海道松前郡松前町松城303
指定不詳
樹齢300年
樹高8.0m
根回不詳
幹周不詳
枝張東西17.0m
出典なし