上御料の一本桜

北国の春の原風景

雪山を背景に芽吹く新緑、そして桜。北国の春といえば、心に思い描くのはこんな風景ではないだろうか。以前から桜巡りに訪れたいと思っていた北海道。2021年にその機会に恵まれた。最初に向かったのは富良野。思い描いた北国の春を具現化したような風景だった。

上御料の一本桜は広大な牧草地に一本だけ立つエゾヤマザクラである。雪化粧を残す西富良野岳を背景に、新緑をまとうカラマツとのコントラストが美しい。花期にこの地を通りかかれば、誰もが写真に収めたくなるだろう。
来歴は不明だが、損傷の少ない立派な樹形であることからも、まだ若木の部類と思われる。大きさから推定するに樹齢100年程度といったところか。

一般的に、御料とは皇室の所有地を指す。富良野は皇室の管理する土地が多かったといい、ここ上御料もそんな皇室ゆかりの地の一つだったのかもしれない。

上御料の一本桜

桜はもちろんだが、松林の白い木肌も美しい。この日の富良野の気温は25度にも達し、日差しも夏を思わせる強さ。桜の時期には似つかわしくない強い日差しが花と新緑のコントラストを一層高めていた。本州でも5月に咲く桜があるが、この時期の桜は日の当り方が違うものだと改めて感じた。

Note富良野西岳の東麓に広がる広大の牧草地の中に立つエゾヤマザクラ。牧草地は車道に面し、駐車場はないが周辺に駐車スペースがある。
撮影2021年5月7日、2024年4月29日
名称上御料の一本桜
別称なし
樹種エゾヤマザクラ
所在地北海道富良野市上御料
指定不詳
樹齢不詳
樹高不詳
根回不詳
幹周不詳
枝張不詳
出典なし