横田陣屋の御殿桜

御屋敷のシンボル

以前テレビで見かけて以来ずっと気になっていた桜。福島県下では早咲きの部類でこれまでなかなかタイミングが合わなかったが、この年は比較的他の桜と花期が被り、訪れることができた。

旧長沼町にあたるこの周辺は桜の古木が点在しており、自治体をあげてスタンプラリーを催すなどして花見客を集めている。中でもこの御殿桜は目玉の一つと言えるだろう。地面まで届く枝先にはびっしりと花が付き、見事な桜である。

横田陣屋は江戸時代にこの地を所領していた溝口家の邸宅跡と伝えられている。陣屋とは小大名の邸宅、役人の詰所、軍の駐屯所などの名称で、つまるところは城のような役割を果たしていた。この桜は溝口家の御殿に立つことから御殿桜と呼ばれるようになったという。

今は個人宅の所有となり、かつて陣屋があったことは現地の案内板でしか知ることはできない。テレビでは地権者のご家族のお婆さんが花を咲かせる御殿桜を愛おしそうに眺めていたのが印象的だった。

Note横田陣屋は江戸時代にこの地を所領していた溝口家の邸宅跡と伝えられ、溝口家の邸宅跡に立つこの桜は御殿桜と呼ばれている。
撮影2021年4月3日
名称横田陣屋の御殿桜
別称なし
樹種シダレザクラ
所在地福島県須賀川市横田字北ノ後111
指定市指定天然記念物
樹齢300年※
樹高12.0m※
根回3.5m※
幹周3.1m※
枝張不祥
出典※:現地案内板