三春滝桜
日本一の桜
何を持って日本一とするかには議論が分かれるところだが、樹齢、樹形、大きさ、桜にまつわる歴史や逸話など、総合的に見て、個人的に日本一の桜だと思う。樹齢1000年を数えてなお樹勢は旺盛で、端正な樹冠はビルの3階に達するほどのスケールを誇る。江戸時代には三春のお殿様が藩外不出のお留木とし、枝の周りの地租を無税として保護に勤めたという。また、三春町周辺にはシダレサクラが2000本生息しており、その多くが滝桜の子孫と考えられている。とにかく滝桜が特別な桜であることは、多くの逸話が物語っている。
滝桜は、いわゆる"ハズレ"の年がない。毎年枝の先までびっしりと、見事な花を咲かせる。毎年30万人が訪れるというこの舞台裏にどれほどの苦労があるのだろう。
雪や台風、豪雨など、大規模な天災に見舞われる度、守人たちの心労は測り知れない。
千年永らえる桜もすごいが、桜に寄り添う守人もまたすごい。
滝桜という千年の歴史を生きた巨大な生命体は、その生命力にのみ生かされているにあらず。その守人達の伴走により、次の百年、次の千年へと歩み続けるのだと思う。
Note | 推定樹齢1000年とされるエドヒガン系ベニシダレザクラの巨樹。天保年間に記された「滝佐久良の記」には江戸時代初頭の正保年間にはすでに大木であったとの記録があり、その歴史の古さがうかがえる。大正11年には山高神代桜(山梨県北杜市)、淡墨桜(岐阜県本巣市)、石戸蒲桜(埼玉県北本市)、狩宿の下馬桜(静岡県富士宮市とともに桜の木として初となる国指定天然記念物に指定され、日本五大桜と讃えられた。其中から特に神代桜、淡墨桜、滝桜をして三大桜とも称される。 |
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撮影 | 2010年4月25日、2015年4月12日、2023年4月1日 |
名称 | 三春滝桜 |
別称 | 滝桜 |
樹種 | シダレザクラ |
所在地 | 福島県田村郡三春町滝字桜久保296 |
指定 | 国指定天然記念物 |
樹齢 | 1000年 |
樹高 | 13.5m |
根回 | 11.3m |
幹周 | 9.5m |
枝張 | 東西:25.0m/南北:20.0m |
出典 | 三春町観光協会公式サイト |