東麻生の種蒔桜
会津盆地の原風景
県道72号線を車で走っていると集落の向こうに隠れるようにして立つ一本の桜が確認できる。周りの景色の広大さにその大きさが霞んでいるが、近づくとかなりの巨木で歴史を感じさせる桜だ。
共同墓地の墓守のような役割を果たしているのだろう。福島や長野など桜の巨木の多い地域ではこうした墓守桜をよく目にする。墓が写り込むのを嫌う人もいると思うが、筆者は桜と地元の人との関わりが現れていて好きである。よく見ると古い墓石と新しい墓石があり、長い間桜と地元の人たちが密接に結びついてきたことがわかる。桜の下の墓なんかは特等席と言える。
辺りには集落の他にさえぎるものが無く、遠くには冠雪した飯豊連峰や越後山脈など、会津盆地を取り囲む山々が望める。この桜が生まれた数百年前も今とほとんど変わらぬ風景だったのだろうか。撮影をしながらそんなことを考えた。
Note | 北会津町東麻生地区の共同墓地に立つエドヒガン。周囲は広大な田園地帯で桜の開花が種を蒔く目安となっていた。福島県のホームページによれば地域景観の核になっているとのこと。2005年に自然景観指定緑地に指定された。 |
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撮影 | 2019年4月19日 |
名称 | 東麻生の種蒔桜 |
別称 | なし |
樹種 | エドヒガン |
所在地 | 福島県会津若松市北会津町東麻生字姥小作756 |
指定 | 市自然景観指定緑地 |
樹齢 | 不祥 |
樹高 | 13.0m |
根回 | 不詳 |
幹周 | 5.7m |
枝張 | 14.0m |
出典 | 福島県公式サイト |