古舘のサクラ

歴史の記念碑

自治体の催す「ながぬまさくら紀行スタンプラリー」の地図に掲載されていた桜。長沼地区では護真寺の桜と横田陣屋御殿桜が有名だが、他にも立派な桜の樹が点在している。この桜はそうした長沼の名木の一つ。田園地帯を見下ろす立派な桜で、シダレザクラとしては枝が短くしなりも少なく、エドヒガンのように見える。大きい枝の損傷があり、風雪の厳しさを感じさせるものの、支柱に頼らず自立する力強い姿をしており、花付きも良い。

これだけ目立つ桜なら周囲の田園地帯の種を蒔く目安になっていたのではと思ったが、さもありなん。案内板によると種蒔桜と呼ばれていたそう。傍らには不動明王が祀られていることから不動桜の異名も持つという。

これだけ立派な桜ながら、見物客は比較的少ない。人だかりのする御殿桜の周辺とは比べるべくもなく、絵に描いたように長閑な風景だった。

Note二階堂氏の邸宅があったことからこの辺りには古館との地名が残る。桜はその古舘の東南から田園地帯を見下ろしている。
撮影2021年4月3日
名称古舘のサクラ
別称種まき桜、不動桜
樹種シダレザクラ
所在地福島県須賀川市桙衝古舘66
指定県指定天然記念物
樹齢450年※1
樹高12.0m※
根回6.3m※
幹周4.5m※
枝張不祥
出典 ※:現地案内板